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貿易マメ知識

 これは私がブログで2011年夏ごろから発信していた「貿易こぼれ話」です。一日にひとつのテーマで、貿易ビジネス、
貿易実務の世界で面白そうな話、役立ちそうな話をピックアップしたものです。

 おかげさまで100話を達成しました。一部加筆修正して、ここに発表します。皆様のお役に少しでも役立てれば光栄です。
(尚、内容はブログの発信当時の数字を使用しています。)



貿易こぼれ話 1 農林水産物の輸出

実は、わが国は農林水産物を世界各国に輸出していたのです。
3月11日の東北大震災以来、風評被害等で日本の輸出品は
大きなダメージを受けました。
しかし、わが国の農林水産物は安全で高品質で、大変美味しいとの
評判を得ていたのです。

ちょっと調べてみました。ほんの一例ですが、
 ・静岡県の温州みかんはカナダへ
 ・北海道の天然サケは欧米へ
 ・埼玉県の盆栽はヨーロッパへ
 ・沖縄県の泡盛は中国やアメリカへ
 ・秋田県の日本酒はアメリカへ
 ・長野県の干し柿は台湾へ
 ・鹿児島県のさつま揚げは東南アジアやアメリカへ
 ・宮崎県の和牛肉はアメリカへ
 ・千葉県の植木は香港・シンガポールへ
 ・静岡県の緑茶は台湾・アメリカへ

すごいですね。日本中の美味しいものが、実は世界中に輸出されていたのです。


貿易こぼれ話 2 市場調査の項目

輸入品をわが国に紹介する場合、国内のことをいろいろ調べます。
為替制度や流通制度などのことも大切ですが、実は消費者の嗜好や流行、
国民性なども大切なことです。人口構成比を調査したり、
世代別の好みや、こだわりも大切な要素です。
今、アパレル業界では高校生の意見が大きなウェイトを占めており、
ビジネスを左右するともいわれています。
へぇ〜、そうなんですか、と思ってしまいます。


貿易こぼれ話 3 港のガンマン

コンテナ船が海上輸送の主役となり、世界中の貿易量が飛躍的に伸びました。
その影には、ガンマンと呼ばれるプロ集団がいるのです。
コンテナ船にコンテナを積みつけるには、ガントリー・クレーンと呼ばれる大型のクレーンを操作します。
このクレーンを上手に操作するのが“ガンマン”と呼ばれるプロ集団です。
彼らは高度な操作性を駆使して、コンテナを短時間のうちに本船に積みつけます。
地上から高い位置にある運転席での作業は驚嘆に値します。
正確にスピーディーにコンテナを扱い、約30秒から60秒でコンテナを積みつけてしまいます。
皆さんも一度、港でこのような光景を目にすることができれば、コンテナ船を身近に感じることが
できるかもしれません。


貿易こぼれ話 4 税関検査とX線

輸出入貨物を調べる検査を税関検査といいます。
税関検査は現金と書類との一致性を確認するために、税関職員が貨物を開梱して中身を確認することです。
以前は貨物を一つ一つ開けて調べました。
しかし、輸出入貨物の増大、検査が必要となる貨物の増加により、それも不可能となりました。
現在はX線を利用した検査が行われています。X線をあてることにより、大量の貨物を短時間で
検査することが可能になったのです。


貿易こぼれ話 5 輸入品フェアおたく

私の友人に輸入品フェアが大好きな人がいます。
首都圏では、いたるところで輸入品フェア、海外品見本市などが行われています。
彼はそれに顔を出し、パンフレットを集め、試食ブースがあれば必ず味見をしてきます。
はじめは映画好きが映画館めぐりをするぐらいに考えていましたが、
実はビジネスのネタを集めていたのです。
「これだ!」という商品に出会うまで、このツアーを続けると叫んでいました。
これからは輸入ビジネスだそうです。
今度は輸入品フェアだけでは満足せずに、海外見本市に出かけるそうです。


貿易こぼれ話 6 こんな言葉知っていますか?

もう、死語になってしまった、港での専門用語。特に貨物を扱う言葉に独特の表現がありました。
代表的なものをちょっとだけ…

 あし   ---  トラックなどの交通手段のこと
 あたま  ---  作業する人のこと
 きらう  ---  貨物を一時的にシフトすること
 たっぱ  ---  貨物などの高さのこと
 てなおし ---  貨物の状態を直すこと
 はらきり  --- 袋を開けること
 ひなだん --- 貨物をかんだんのように、少しずつ積み上げること
 まとも  ---  真正面のこと

などなど、やはりわかりませんよね、こんな表現。


貿易こぼれ話 7 タンカーは大きい

資源の少ないわが国の中でも、特に原油を毎日安全に運んでくれるのがタンカーです。
原油タンカーは載貨重量トン数20万トン以上のものをVLCC(Very Large Crude Oil Carrier)と呼び、
30万トン以上のものをULCC(Ultra Large Crude Oil Carrier)と呼びます。
30万トン以上のタンカーの大きさはとても大きく、全長は東京タワーの高さ(333メートル)と
同じくらいあります。


貿易こぼれ話 8 麻薬探知犬

貿易最前線で活躍しているスターに「麻薬探知犬」をあげることができます。
麻薬探知犬は、その役割で大きく2つに分けることができます。
アグレッシブドッグといわれる麻薬探知犬は、麻薬の臭いを嗅ぎつけたときに噛み付いたりして、
そのことをハンドラーに知らせます。主に空港の手荷物の仕分け場や検査場で活躍しています。
一方、パッシブドッグといわれる麻薬探知犬は、麻薬の臭いを嗅ぎつけたときに、大きな泣き声をあげたり
騒いだりせず、静かにその対象者の横に座ったり、尾を振ったりしてハンドラーに知らせるのです。
これはすごいことですね。こうすることにより、麻薬の所持者に悟られることなく、ハンドラーに知らせる
ことができるのです。
(ハンドラーとは、検査のときなど麻薬探知犬の世話をする飼い主のことです。)


貿易こぼれ話 9 ワインブームの影で活躍するリーファー・コンテナ

今やわが国はワインブームです。ワイン好きの方が多く、あちこちでその薀蓄をひけらかしています。
どこのワインが好きかは人それぞれですが、ブームがあったことも確かです。
カリフォルニアワインが持ち上げられたときがありました。
南アフリカワインがいいですね、といわれた時期もありました。
ちょっと前までは、チリワインが脚光を浴びました。
どのワインを選択するかは人それぞれ好みにもよるところですね。
ところで、これらのワインはどのようにしてわが国に運ばれるのかご存知ですか?
主に海上輸送されるのですが、ワインは温度の変化にとても弱いのです。一定の温度、主に14度から
18度ぐらいに設定して輸送しなくてはなりません。
そこで、温度設定ができる冷凍コンテナ(Reefer Container)を利用するのです。


貿易こぼれ話 10 パイロット(水先案内人)のお仕事

海外からわが国にやってきた、大型のコンテナ船が無事に港に接岸するには、
パイロットといわれるスペシャリストが活躍しています。
港のまわりは地形が複雑なうえに、浅いところもあります。
本船を安全に導くには、資格を持ったパイロットが、港湾の入り口から船長のアドバイザーとして、
本船に乗り込み、安全な航行のために助言を行います。
水先案内人が必要とされる海域を水先区といいます。


貿易こぼれ話 11 コンテナ船の積載能力はTEUで表す

コンテナ船の積載能力は、20フィートコンテナの個数に換算して表現します。
これは通常、「TEU」という単位で表します。TEUは、Twenty-Foot Equivalent Unitの略です。
たとえば、5,000TEUのコンテナ船の場合は、20フィートコンテナが5,000個積載できることを
表しています。この場合、40フィートコンテナは20フィート2個分として、2TEUと換算します。
最近は、コンテナ船の大型化が進み、10,000TEUを超えるものも登場しています。


貿易こぼれ話 12 コンテナ船の馬力はすごい

船のエンジンの出力は馬力を単位で表します。
1馬力とは、75kgの重さを1秒間に1m持ち上げる仕事量をいいます。
コンテナ船のエンジンの馬力は約5万馬力といわれ、
これは大型トラック約140台分に相当します。


貿易こぼれ話 13 バラスト・タンク

タンカーなどの貨物船は、積荷の状態を考えて、船の重心を調節します。
そのために、バラスト・タンクといわれる専用のタンクを備えています。
どのように調整するかというと、貨物が少ないときはバラスト・タンクに水を入れます。
この水をバラスト水と呼び、これをうまく調整します。貨物が多いときは、排水して喫水を
調整することになります。
なかなか大変ですね。


貿易こぼれ話 14 ロンドンには5つもの国際空港がある

イギリスの首都はどこですか? もちろんロンドンですね。
ロンドンはイギリスを代表する大都市です。
実はロンドン(London)には、5つもの国際空港があります。
最大のヒースロー空港(London Heathrow Airport)のほかにも、
ガトウィック空港(London Gatwick Airport)、スタンステッド空港(London Stansted Airport)、
ルートン空港(London Luton Airport)、ロンドン・シティ空港(London City Airport)があります。


貿易こぼれ話 15 貨物を取扱う世界一の空港とは

世界一の貨物空港とはどこかご存知ですか? やはりニューヨーク空港なのかな、それとも
成田空港なのかと思う方が多いのではないでしょうか。
実は違うんですね。なんと、アメリカ、テネシー州にある「メンフィス空港」なのです。
ここは、フェデックスのスーパー・ハブ空港であり、アメリカ内の貨物の取扱量が圧倒的に
多いので世界一になりました。


貿易こぼれ話 16 税関は夜中もやっているもの

航空貨物はスピードが命です。しかし、貨物の輸出入通関手続きを行い、税関から許可を
得る必要があります。
わが国の税関の執務時間は、平日の8:30から17:00までです。休日や17:00以降の時間帯
に通関手続きをするには、臨時開庁の手続きが必要になります。
そこで、成田空港や関西空港などでは、臨時開庁のために、税関職員を24時間常駐する
体制をとりました。
24時間体制で貨物の通関に対応しているのです。ご苦労さまですね。


貿易こぼれ話 17 業界用語を使って、いざビジネスへ

実際の仕事を始めると、独特の業界用語にビックリしてしまいます。
特に現場で使用する用語も知っておくと便利です。

 横もち
  本船から降ろされた輸入貨物が入っているコンテナをCY(コンテナヤード)から
  海貨業者の倉庫などに輸送すること。ショート・ドレイともいいます。

 内容点検作業
  輸入通関手続き前に輸入貨物の個数や状態を確認すること。この場合は
  事前に税関に対して必要な手続きを行わなければなりません。

 ホットデリバリーサービス
  Hot Delivery Serviceは本船荷役終了後、数時間のうちに輸入貨物の引渡しを
  可能とするサービスのこと。生鮮食料品などによく利用されます。


貿易こぼれ話 18 輸出入者としては必須知識 事後調査がありますよ

輸出入者は手続きが無事に終了すると、なんとなくホッとしてしましますが、
実はビジネスが終了した後でも、しっかりと書類などを保管しておかなくてはなりません。
よく、事後調査が行われます。

 事後調査とは…

  税関は事後調査を行います。輸入通関手続きが完了し、しばらくした後、
  輸出入者を訪問し、輸出入手続きが適正に処理されたかどうかを
  チェックします。このため、輸出入者は必要書類を準備する必要が
  あります。


貿易こぼれ話 19 中国の港の英語表記、わかりますか?

わが国にとって最も大切な貿易相手国となった中国。大きな国ですから、
貿易港もいっぱいあります。
輸出入取引では貿易港は大切な役割を担います。

さて、中国の港名。なんとなく感じでの表現はわかりますが、
英語で表記しなさいといわれると、困ってしまう場合もありますね。

中国の主要港 【北から南へ】
 大連  Dalian
 新港  Xingang
 青島  Qingdao
 連雲港 Lianyungang
 上海  Shanghai
 福州  Fuzhou
 塩田  Yantian
 香港  Hongkong
 蛇口  Shekou


貿易こぼれ話 20 福祉用品の輸入が増えています

わが国の人口構成比の中で、シルバー世代といわれる人々の割合が増加しています。
それにともない、福祉関連用品の輸入も増加傾向です。
福祉用品といえば、車椅子がまず頭に思い浮かびますが、国産の車椅子とドイツなど
ヨーロッパの車椅子では大きく異なるそうです。
それは何かというと「重さ」だそうです。わが国では車椅子を、よく二人がかりで持ち上げる
風景を見ることが多いと思います。そのため、国産の車椅子は軽く作られているそうです。
しかし、ドイツなどの車椅子は大変重く、頑丈に作られています。それは、すでにバリアフリー
が徹底していて、車椅子を人間が二人がかりで持ち上げる必要があまりないそうです。
これだけ見ても、その国の福祉に対する成熟度がわかってしまう感じがします。
ビジネスに目を向けると、車椅子のほかにも、歩行器、歩行補助杖、移動用リフト、
入浴補助用具、簡易ベッドなどの商品もニーズが高まると思われます。


貿易こぼれ話 21 クールビズ商品がヒートアップ

皆さんもご存知のように、クールビズは2005年に政府の主導により実施された
地球温暖化防止対策ですが、今年は特に、省エネ対策の一環としてビジネス・シーンで
注目を浴びています。
ビジネス・シーンで「ノータイ・上着なし」は普通になりました。ネクタイにお金をかけていた分
をお洒落なボタン・ダウンシャツにまわすとか、夏物のスーツ代金をシューズやベルトに
かけるなどの動きがあります。
このようなことを、いち早く気づいて輸入ビジネスに展開できたら、今頃はウハウハで
儲かっていたかもしれません。何事もスタートダッシュが大切ですね。


貿易こぼれ話 22 ホットデリバリーサービス

ピザ配達の話ではありません。
時間が命の貿易ビジネスにおいて、今、盛んに利用されている輸送形態です。
Hot Delivery Serviceは本船荷役終了後、数時間のうちに輸入貨物の引渡しを
可能とするサービス。生鮮食料品などによく利用されます。
本船からの貨物の荷役や搬入手続きに工夫をこらして時間を短縮します。
それにより、ユーザーに最短時間で貨物をお届けできるのです。


貿易こぼれ話 23 BRICsとVISTAとNEXT 11

これまでの国際経済・貿易・経済活動は欧米日(アメリカ・ヨーロッパ・日本)が主役でしたが、
今後の国際経済・世界経済はBRICsが大きな力を有するといわれています。
BRICsは、ご存知のように「ブラジル・ロシア・インド・中国」の国々です。
これら4カ国の勢いはすごいものがあります。
その次は、VISTAともNEXT 11ともいわれています。
VISTAは「ベトナム・インドネシア・スペイン・トルコ・アルゼンチン」です。
一方、NEXT 11は、「メキシコ・韓国・フィリピン・インドネシア・ベトナム・バングラデッシュ・パキスタン・
イラン・トルコ・エジプト・ナイジェリア」の国々です。
実に多様な国々が集まっているのがかわります。今後、これらの国々の動きに注意が必要です。


貿易こぼれ話 24 ベトナムに熱い視線が集まっています

今、「チャイナ プラスワン」が日本企業の合言葉にもなっています。
そこで、東南アジアのベトナムに熱い視線が注がれています。ベトナムは比較的他の国よりも
メリットがあるといわれています。
政治・経済が安定していることや、ベトナム人が勤勉で若く、安価で安定的な労働力を
確保できること。
ベトナムでは識字率が90%以上であり、勤勉な労働者を確保できる。また、ベトナムは親日的
であり、15歳から24歳までの若い人口が、人口構成比の中で一番多くいるという、
魅力的な国でもあります。


貿易こぼれ話 25 衣料品の輸出が90%を占めるバングラデシュ

バングラデシュの輸出は衣料品がほとんどを占めています。
つまり、バングラデシュは衣料品が得意だといえるのしょう。
最近では、わが国の企業もバングラデシュで生産を始めたり、検討しているとの情報が
多く寄せられています。
バングラデシュの人口構成比は、ほぼ正三角形になります。もちろん、出生率も高いが
死亡率も高いという事情も潜んでいますが、20代以下の人口がバングラデシュ全体の
3分の2を占めています。
これは労働人口と考えた場合、非常に成長力、破壊力があると考えられます。


貿易こぼれ話 26 レアメタルショック

数年前、わが国の産業界に「レアメタルショック」が起きました。
わが国のハイテク産業を影から支えていたのがレアメタルでした。
レアメタル抜きでは、日本のハイテク産業の優位性が発揮できなくなるとの
危機感が広がりました。
問題はレアメタルの産出国が偏っている、つまり偏在しているのです。
たとえば、レアアースはほとんどが中国です。
バナジウムは、中国・南アフリカ・ロシア。タングステンもほとんどが中国です。
プラチナは南アフリカが大部分を占めています。
わが国にとって、レアメタルの安定的供給が重要課題ですが、
一方で代替材料の開発が急がれています。


貿易こぼれ話 27 2050年、世界は、日本はどのようになっているの?

あと40年足らずで2050年を迎えます。
もちろん私は生きていませんが、2050年を迎えた世界、日本はいったい
どのようになっているのでしょうか?
2050年には地球上の人口が90億人以上になるとの予測もあります。
そのときに、これだけの人口を養うだけの食料が間違いなく確保できるのかが、
大きな問題になります。
収穫量を多くできる作物の研究や、収穫できる耕地の確保、単位面積当たりの
人口扶養力の高い商品の開発など、問題は山積です。
一方、わが国に目を向けてみると、高齢化が進み、2050年には子供の数よりも
犬や猫などペットの数のほうが増えるのではないかと警鐘を鳴らす方も見られます。
今の日本では想像もつかない姿が現れているのかもしれません。
心配です。


貿易こぼれ話 28 ビジネスに直結するかも 国際展示会

ある年の国際展示会の一覧表を見てみました。
貿易ビジネスの起業を考えている方にとっては魅力的な催し物が盛りだくさんです。
たとえば、

 西日本インポートフェア
 インターナショナル・ファッション・フェア
 JITACヨーロピアンテキスタイルフェア
 東京国際家具見本市
 インテリアトレンドショー
 東京インターナショナル・ギフト・ショー
 日本ホビーショー
 東京モーターショー
 健康博覧会
 国際物流総合展

などなど… 催し物はおもしろいビジネスの種が転がっています。


貿易こぼれ話 29 貿易関連団体を訪問して 専門家のご意見収集

貿易に関する専門的な関連団体があります。団体の中には、無料相談窓口を開設したり、
相談員を常設したりと、サービスを提供している、うれしい団体がいくつかあります。
また、事前に趣旨を説明すれば、会ってもらえる団体もあります。
皆さんも、貿易ビジネス・国際ビジネスに関連する情報を収集しましょう。もちろん、
礼儀と節度ある態度は必須です。

主な団体
 日本貿易振興機構
 対日貿易投資交流促進協会
 国際商業会議所日本委員会
 日本貿易会
 貿易保険機構
 日本関税協会
 日本通関業連合会
 日本貿易関係手続簡易化協会

などなど…


貿易こぼれ話 30 中国の港は元気ですね

中国交通運輸部によると、2011年6月の中国全港湾のコンテナ取扱量は、
前年同月より12%増となり、1,376万TEUとなりました。
同年1月から6月までの上半期の全取扱量は7,769万TEUとなり、
7,000万TEUを突破しました。
これはすごいですね。

中国主要港のコンテナ取扱順位を見てみると、
 1位は Shanghai
 2位は Shinzhen
 3位は Ningbo
 4位は Quingdao
 5位は Guangzhou

です。日本の港も頑張らなくては!


貿易こぼれ話 31 受講生が変わってきました

私は地方によく行きます。
地方の公的機関さんが主催する貿易基礎セミナーの講師で訪れます。
ここ5年間ぐらい、ほぼ1〜2ヶ月に1回の割合で開催しています。
セミナーの参加者は、当初は20代・30代の担当者の方の出席が大変多かったです。
しかし、最近は変わってきました。
受講生の3割ぐらいの方が、中小企業の社長さんやトップマネジメントの方々です。
なぜ、そのような方々の出席が多いのか、不思議に思っていました。
何人かの方とお話しする機会があり、それによると、やはり地方は内需が厳しく、
どうしても貿易取引、国際ビジネス、中国ビジネスの必要性をひしひしと感じているそうです。
その切迫感から、まずは基本的なセミナーを受講することになったとおっしゃっていました。
地方経済も厳しいですね。
中小企業さんは必死で頑張っています。そのお手伝いを少しでもできたら、
と考えています。


貿易こぼれ話 32 ロジスティックスの重要性

企業活動の中で、ロジスティックスの重要性が叫ばれています。
ロジスティックスとは、いろいろ解釈がありますが、お客様の条件に適合するように、
製品の出発地点から消費者までのサービス・貨物・情報を効率的に計画・実施することです。
物流戦略とか物流戦術としての位置付けを与え、企業戦略の中で重要な役割を担っています。
その主役は物流業を営む、物流企業です。一口に物流企業といっても、実はさまざまな企業群
があります。
たとえば、次のような企業です。
道路貨物運送業・鉄道業・外航海運業・内航海運業・航空運輸業・倉庫業・港湾運送業・
貨物運送取扱業・運送代理店業・梱包業などです。


貿易こぼれ話 33 運送業に関するちょっとした専門用語

どの業界にも独特の専門用語があります。
運送業における専門用語をちょっと見てみましょう。

 共同配送 --- 複数の卸売業の貨物を集荷して、混載で配送する
 納品代行 --- 複数の納品業の貨物を集め、百貨店などに一括で納品する
 総合物流 --- 保管や在庫、流通加工、配送などを一括で受託する
 地域共配 --- 特定な地域の配送を混載で行う


貿易こぼれ話 34 流通加工の重要性

一口に物流といっても、さまざまな機能があります。代表的な機能として、
「輸送」「保管」「荷役」「流通加工」「梱包」「情報」などがあります。
その中の流通加工に注目する企業が増えています。
流通加工とは、商品が流れる中で、顧客の要望に応じて、商品に付加価値を加える
加工を施すこと。特に輸入品に、ひと手間、ふた手間を加えることで、
輸入商品の価値を高めています。
代表的な流通加工として、値札付け・検品・アソート・取扱説明書の送付・小分け・
組み立てなどがあります。


貿易こぼれ話 35 輸入品における物流センターの役割

物流センターでは、さまざまな作業が一括で行われ、商品価値を高めています。
輸入品の代表的な物流センターにおける作業の流れを見てみましょう。
まず輸入品が入庫します。その後の作業は次のようになります。

 輸入品の検品 → 仕分け → 保管 → ピッキング → 流通加工 → 検品 →
 包装 → 仕分け → 確認作業 → 出庫

このような作業が施された後に、店頭に並ぶことが多いようです。
私たちは何気なく輸入品をデパートなどで購入しますが、それまでには、
さまざまな作業が行われていることがわかります。


貿易こぼれ話 36 日本の港 がんばれ

わが国は島国です。当然のごとく、商品や貨物を手に入れるには船による
海上輸送を利用します。
また、わが国の輸出品は日本の港から世界中に送られます。
しかし、日本の港が昔に比べて元気がありません。たとえば、コンテナ船による
コンテナの取扱いランキングを見ても、上位は香港・シンガポール・上海・深せん・
釜山・高雄などのアジア諸国の貿易港です。
わが国を代表する東京港・横浜港・名古屋港・神戸港は、どうしてもリストの
下のほうになってしまいます。
なんとか頑張って上位にいきたいものです。


貿易こぼれ話 37 空港はわが国の表玄関

航空貨物輸送の物量が飛躍的に増加し、空港の役割の重要性が叫ばれています。
世界的に見て、空港の持つ機能は日々発達し、現在ではその空港の大きさ、巨大化
とハブ化がキーワードといわれています。
わが国の空港は、第1種空港から第3種空港に分けられています。


貿易こぼれ話 38 グリーン・ロジスティックス

企業活動にとって環境問題は重要課題です。
「環境にやさしい」は企業にとって大切なキーワードです。
環境に配慮した物流方法は、グリーン・ロジスティックスと呼ばれています。
具体的には排ガス規制に対応した自動車輸送や容器の持ち帰り、
回収を徹底する運動などです。


貿易こぼれ話 39 物流のIT化

国際物流も国内物流も、貨物の管理情報・貨物の追跡情報は
とても重要で必要とされています。
最近ではICタグを利用した貨物情報管理が主流です。
また、GPS情報との組み合わせにより、必要な貨物の追跡情報の適用
などが行われています。


貿易こぼれ話 40 日本で使われている保険証券

保険証券は保険契約が成立したことを証明するもので、
国際間の貿易取引に用いられる海上保険においては、
英文の保険証券が発行されます。
現在、日本で使用される保険証券は2種類あります。
ひとつは旧フォームと呼ばれる「ロイスS.G.保険証券」、
もうひとつはMARフォームと呼ばれる「1982年制定の新フォーム」です。


貿易こぼれ話 41 日本の輸出品もずいぶんと変わりました

日本の輸出品も大きく変わりました。
1960年代では繊維品の輸出が約30%を占めていましたが、
その後、年々減少し、2005年にはわずか約1%まで減少してしまいました。
その一方で、機械類の輸出は年々増加しました。
年代別に特色のある輸出品があり、その変遷を見ることもできます。
たとえば、1970年代ではテレビ・ラジオが主流でした。
1990年代になると、技術革新の進歩により、ICなどの商品が目を引きました。
21世紀になり、ここ数年の傾向を見ると、デジカメ・ノート型パソコン・光ファイバー
ケーブルなどが注目されます。
さらに自動車の輸出は確実な歩みを示し、ついにトヨタは世界一の企業にまで
上りつめました。
これからは、どのような商品・製品が日本の代表的な輸出品になるのでしょうか。
とても楽しみです。


貿易こぼれ話 42 輸入品も変遷がありますね

輸入商品も大きな変化が見てとれます。
原油・石炭・液化天然ガスに代表されるエネルギーの輸入は
わが国の経済を支え、その割合はとても大きなものでした。
しかし、最近ではアジアからの電気製品・機械類・音響機器の輸入が
増加しています。これは国内のそれぞれのメーカーが生産工場を
アジア諸国に移管したことによる、逆輸入品の増加として現れているのです。
さらに、貿易相手国の激変も大きな特徴です。
日本の最大の貿易相手国は、誰でも知っているように、長い間アメリカ合衆国
でした。しかし、数年前から、その地位を中国が占めるようになったのです。
中国を中心としたアジア諸国との貿易が活発になりました。
中国はその存在価値をアピールしています。


貿易こぼれ話 43 オタク商品で貿易?

輸出にしても輸入にしても、ターゲット・ゾーンをしっかりと把握することが
ビジネス成功の秘訣です。
ターゲットがはっきりと掴めれば、それに適合する商品を選定すれば、
成功に近づけます。


貿易こぼれ話 44 中小企業支援貿易システムの開発

地方に行くと、さまざまな中小企業さんからご相談、ご質問をいただきます。
貿易取引・海外ビジネスを一日も早く始めたいのだけれど、それに精通している社員がいない。
簡単に手続きができるシステムがない、などのご意見を聞きます。
たしかに、今まで国内取引だけの企業さんが、すぐに貿易取引を開始するには、
ちょっとハードルが高いかもしれません。
そこで、研修とは別に、中小企業さんが簡単に操作できる貿易支援システムの開発を
目指しています。


貿易こぼれ話 45 中国は広い 都市と都市の距離が…

中国は広大に領土があります。
日本に比べることができないくらいの大きさを感じます。
それと同時に、都市と都市の距離も半端ではないんでしょう。
ちょっと調べてみました。
北京を基点として、おおよその距離ですが、

 大連までは900キロ
 南京までは1,140キロ
 上海までは1,490キロ
 武官までは1,230キロ
 広州までは2,480キロ
 昆明までは3,230キロ

やはり広い。移動だけでも大変ですね。


貿易こぼれ話 46 航空貨物と海上貨物 どんな貨物?

航空貨物輸送で運ばれる貨物とは、どのような貨物なのでしょうか。
やはり航空輸送ですから、半導体等の電子部品が輸出入ともトップを占めています。
また、科学光学機器や映像機器、事務機器があります。
一方、海上輸送を見てみると、輸出は鉄鋼製品、機械類が上位を占め、
輸入では原油や石炭、鉄鉱石という資源エネルギーが上位を形成しています。
それぞれ特色がありますね。


貿易こぼれ話 47 日本人はエビが大好きです

われわれ日本人はエビが大好きです。
それでは、ちょっとクイズ!
私たちが食する「エビ」は、どの国から輸入するのでしょうか?

調べてみました。
「ベトナム・インドネシア・インド・中国」といった、アジア諸国から
輸入しているのがわかります。
ちなみに、わが国の魚介類の品目別輸入を見てみると、
トップが「マグロ」、次が「エビ」でした。
やはり、日本人はマグロとエビが好きなんですね。


貿易こぼれ話 48 輸入原油は中東に依存しすぎています

私だけではないと思いますが、私たちの生活を支えているのが石油です。
その石油をほとんど輸入に頼っているのがわが国です。
さらにその輸入先が中東の国々(サウジアラビア・アラブ首長国・イラン・カタール・クエート)
に極端に依存しているのです。
その割合は80%をはるかに超えています。
まさに中東諸国さまさまです。
万一、何かあったら本当に大丈夫なのかと思ってしまいます。
ちなみに、わが国の原油の自給率を見てみると、なんと、なんと0.2%前後なのです。


貿易こぼれ話 49 トヨタは世界一の自動車メーカーになりました

トヨタは、さまざまな企業努力をされて、ついに世界一の自動車メーカーになりました。
自動車の生産国を見てみるとやはり、日本・アメリカに目がいきます。
しかし、オートバイや自転車の生産国はどこですかと聞かれると…

調べてみると、オートバイも自転車も、中国がトップなのです。


貿易こぼれ話 50 毛皮は高級品

毛皮は高級品ですね。冬になると高そうな毛皮のコートを
着ている人をよく見かけます。
ところで1枚の毛皮のコートを作るのに該当する動物が
どれくらい必要か知っていましたか?
調べてみてビックリしました。
ミンクのコートを作るのに、なんと70頭以上が必要なのです。
狐のコートでも、10頭ぐらいを必要とするそうです。


貿易こぼれ話 51 カカオって知っていますか?

私は甘いものが苦手です。ですから、チョコレートなどはめったに食べません。
チョコレートやココアの原料となるのはカカオなんですね。
カカオの原産地を調べてみると、アフリカのコートジボワールという国が世界一でした。
しかし、わが国は、そのお隣のガーナからカカオを輸入しているのです。


貿易こぼれ話 52 マグロが高くなるのは困ります

私の一番好きな食材はマグロです。美味しいマグロを食べるためには、
三崎にも清水にも焼津にも出かけます。
そのマグロがピンチです。
マグロ漁は近海だけではなく、遠く世界中を巡ってマグロを追い求める遠洋漁業が
盛んに行われています。遠洋漁業を行うには燃料となる原油が必要です。当然、
原油の値上がりは痛手です。
昨今の原油価格の上昇は気になるところです。
マグロは世界で日本人が一番食べていたのですが、近年、お隣の中国の方も盛んに
食べるようになりました。日本食ブームが広まり、富裕層が高級なマグロを買い求める
ので、マグロの獲得競争が始まりそうです。


貿易こぼれ話 53 マグロ マグロ

マグロの世界の漁獲量の4分の1は、私たち日本人が消費するといわれています。
マグロといえば、なんといっても黒マグロ。
マグロを求めて世界中に船を走らせています。
スペイン・チュニジアなどの地中海沿岸諸国、セーシェルやモルディブなどの
インド洋・アフリカ沖。
本当にご苦労さまです。


貿易こぼれ話 54 中国の省のGDPも、ものすごい

皆さんもご承知のように、中国は日本を抜いてGDPで世界第2位に躍り出ました。
中国の国力もすごいですが、中国の中にある省単位でのGDPも、すごいことになっています。
特に広東省、山東省、江蘇省の3つは、中国の中でもベスト3といわれています。
日本でもおなじみの広東省のGDPは、アジアの小国よりも大きくなっているのです。
小さいとはいえ、1つの国よりも大きいのにはビックリです。
もっと驚いたのが、広東省のGDPは、今元気のあるベトナムの数倍の額があるとのこと。
本当にビックリです。


貿易こぼれ話 55 企業も個人も海外戦略が大切

今や、海外ビジネスは必須ですし、海外で働き、成果を出すことが求められている
ビジネスマンも多くいます。ひとくちに海外戦略、国際化といっても、簡単ではないでしょう。
私なりに国際化の必要条件を考えてみると、

 1.まずは相手国の歴史や文化に関する知識を持つこと
 2.商習慣や独特の風土や考え方も理解すること
 3.現地のニーズ・要求をしっかりと掴むこと
 4.相手の国や相手の国民に喜ばれる事業展開を図ること
 5.現地の優秀な人材を登用すること

いうのは簡単ですが、いざ実施するとなると大変だろうな、と思ってしまいます。


貿易こぼれ話 56 中国で宴会は大事なイベント

これは私の友人に聞いた話ですが、中国でビジネスをするには、
まずは人間関係を構築すること。
それには「宴会」が大切。宴会で人と人が結びつき、理解を深めます。
その宴会がとても大変だそうです。
乾杯につぐ乾杯。何回も何回も乾杯が繰り返されるそうです。
お酒の嫌いな彼ではなかったのですが、さすがに最後はくたくただったそうです。
宴会を無事にクリアするために、老酒が強くなくてはならないとのこと。
これもまた、大変ですね。
また、中国では割り勘は一般的ではないそうです。食事や酒は誘ったほうが
全額負担することが常識になっているそうです。


貿易こぼれ話 57 ハイキューブ・コンテナ(9“-6”)の輸送に注意

40フィートのハイキューブ・コンテナで輸入貨物をお客さんに直送することがよくありますが、
注意しないと、とんでもない事故が起きてしまいます。
ハイキューブ・コンテナは通常のコンテナより背が高いので、到着先の倉庫や物流センター
などのひさしやゲートの高さに注意が必要です。
ハイキューブ・コンテナをシャーシに載せると4mをちょっと超えてしまいます。
いざ、コンテナを届けたのはいいが、ひさしやゲートが低いのでハイキューブ・コンテナが
入らないことがよく起きます。注意しましょう。
しかし、メリットもあります。ハイキューブ・コンテナには通常のコンテナより10%多く貨物を
積載することができます。


貿易こぼれ話 58 コンテナヤードのゲートは単なる出入口ではない

コンテナ船に貨物を積む場合、またはコンテナ船から降ろされたコンテナを国内に引取る際に、
必ずコンテナヤードのゲートを通過します。コンテナヤードのゲートは単なる出入口の役割では
なく、大変大きな役割を担っています。それは、「荷送り人と運送人の責任の分岐点」なのです。
輸出の場合を考えてみましょう。輸出貨物を積んだコンテナは、ゲートでコンテナの外装の状況
が検査されます。ここで荷主から運送人に引渡されると同時に運送責任も移転します。


貿易こぼれ話 59 45フィートコンテナ 日本ではまだ無理…

45フィートコンテナは2005年にISOで規格化されました。これは40フィートコンテナよりも
1.5mぐらい長く、そのため積載できる貨物量が25%以上増えるといわれています。
1回の輸送量の増大が可能となり、物流コストが削減されるメリットもあります。
さらに最近問題視されている、二酸化炭素の排出量の削減も期待されるのですが、
わが国では国内の各種の規制により公道での走行が、まだまだ認められないようです。


貿易こぼれ話 60 女性の通関士が増えています

税関に提出する書類の審査をする通関業務のスペシャリストで
国家試験でもある通関士資格を取得し、
さらに実際の業務に就いている女性の通関士が増えています。
東京通関業会の会員店者に所属する通関士のうち、女性が3割、
大阪通関業会では2割を占めています。
確かに、細かい書類のチェックや細心の注意を払う計算などは、
慎重な女性のほうが向いているのかもしれません。


貿易こぼれ話 61 世界主要港2010年コンテナ取扱量ランキング

ここでクイズです。

世界の中でコンテナの取扱量が多い港、ベスト10を述べよ。


さてさて… 皆さん、どうですか。

解答は、
1位 上海
2位 シンガポール
3位 香港
4位 深せん
5位 釜山
6位 寧波
7位 広州
8位 青島
9位 ドバイ
10位 ロッテルダム

どうですか?ほとんどの港がアジアです。
中国の港、すごいですね。
残念ながら日本の港が出てきません。やっと東京が27位、横浜が36位、神戸が48位、
名古屋が49位です。


貿易こぼれ話 62 大型タンカーは遠回りをしてくる

中近東から石油を運ぶタンカー。タンカーのおかげで私たちの生活は安定しています。
通常、タンカーはペルシャ湾から日本に原油を運ぶとき、てっきりマラッカ海峡を通過してくると
思っていましたが、50トンもある大型タンカーは、喫水が大きすぎてマラッカ海峡を通れない
ため、ロンボク海峡を通る航路を選んでいるそうです。
これはかなりの遠回りになります。
このようにしてまでも、大型タンカーは、日本の生命線である原油を安全に輸送しているのです。


貿易こぼれ話 63 テレックスって知ってる?

学校を卒業して貿易実務の世界に入ったのが32年前です。
貿易の講師を始めて20年になります。
今の若い受講生に説明するのに、テレックス(TELEX)はまず知りません。
通信手段であったテレックスはe-mailに代わりました。
学生時代に夢中で勉強した商業英語文も今はもう使いません。
これもe-mailにとって代わられました。時代の変遷、時の流れを感じてしまいます。
昨今のスマートフォン、フェイスブックなどが今後、貿易実務の世界で
どのような役割をするのか、とても楽しみです。


貿易こぼれ話 64 JIFFAの会員数が400社を超えました

社団法人日本インターナショナルフレイトフォワーダーズ協会の会員数が400社を超えました。
今や貿易取引・国際物流では、なくてはならないフォワーダーの集まりです。
グローバル化が進む中、フォワーダーの存在意義は、ますます高まっています。
その企業活動に熱い視線が向けられています。


貿易こぼれ話 65 中国東北部へのルート

実は中国は日本海に面していないのですね。つまり、日本から中国の東北部、
吉林省や黒龍江省などに貨物を運ぶ場合、まず大連まで海上輸送して、
そこから鉄道や陸上輸送を行っていました。
今度、あらたに新潟港からロシアのザルビノ(Zarubino)への海上輸送が確立されました。
これにより、ザルビノをゲートウェイとして、中国の長春、牡丹江、ハリビンなどの
中国東北部の主要都市へ最短のルートが確立されたことになります。
今後、日本からさらに中国東北部との関係が密接になることでしょう。


貿易こぼれ話 66 上海港 コンテナの扱いが日本の総量を越す

上海港は世界一の港です。中国経済の発展とともに上海港が取扱うコンテナ数も、
うなぎ上りになり、ついに上海港単独で扱うコンテナ数が日本全体のコンテナ取扱量を
上回ってしまったのです。
本当にすごいですね。そして悔しいですね。
上海港は上海の沖合いに造られた洋山深水港に5キロ以上の埠頭を整備し、そこに
なんと60基もの大型クレーンを配置しました。
本当にすごい。


貿易こぼれ話 67 続 上海港

大規模な上海港ができたのも、中国政府のバックアップがあたからです。
中国は国を挙げて、港の整備、上海港を国際的なハブ港にする戦略を持っています。
翻って、わが国の港、大丈夫ですか、といいたいです。貿易立国、海運立国と
呼ばれていましたが、国際貿易の基本ともなる物流のベース基地であるべき
コンテナ港が霞んでしまいます。


貿易こぼれ話 68 がんばれ 東北の港

3月11日に発生した最大の地震、さらに未曾有の大津波により東北太平洋岸の港湾施設が
大きな被害を受けました。テレビに映る港湾施設の被害には言葉もありません。
北から、「八戸・宮古・釜石・大船渡・気仙沼・石巻・塩釜・仙台・相馬・小名浜・日立・鹿島」
これらの港の多くにコンテナ船が入出港し、国際貿易の大きな担い手となっていました。
一日も早い復興を祈るばかりです。


貿易こぼれ話 69 コンピュータ化が進んでいます

ANIPASは動物検疫検査手続電算処理システムのこと。
Animal quarantine Inspection Procedure Automated Systemの略です。
動物検疫の畜産物輸入検査の申請手続きを迅速に行うために、平成9年に
動物検疫所に導入されました。
NACCSとインターフェイスが可能となり、NACCSの端末を利用し、輸入申告
手続きと畜産物の輸入検査申請を同時に行えます。
平成20年に更改され、さらなる利便性の向上が図れ、インターネットを介して
動物検疫の手続きが行えます。


貿易こぼれ話 70 空港コード 知っていますか?

空港コードは出発空港や到着空港を簡潔に表す大切な役割をします。
空港名をアルファベット3文字の略で表します。
主に空港名のアルファベットを使って設定しているケースが多いです。

代表的な空港コード
 AMS アムステルダム(オランダ)
 ATL アトランタ(アメリカ)
 HKG 香港(中国)
 HND 東京(羽田、日本)
 LAX ロスアンゼルス(アメリカ)
 LHR ロンドン(ヒースロー、イギリス)
 NRT 東京(成田、日本)
 ZRH チューリッヒ(スイス)


貿易こぼれ話 71 航空便の呼び方 おもしろい

航空便の呼び方には特色があって、なかなかおもしろいなと思いました。特に便名の数字の表し方。
便名は数字で表すのですが、特徴があります。基本的には、それぞれの航空会社が各自のルールに
沿って便名を付けているのです。
たとえば、
日本航空の場合は、太平洋線の東行線(アメリカ行き)が偶数便名を付け、西行(日本行き)の場合は
奇数便名を付けています。また、ヨーロッパ向けの欧州線を見てみると、東行線(欧州行き)が奇数便、
西行(日本行き)が偶数便名を付けています。


貿易こぼれ話 72 レディー・フォー・キャリッジって知ってますか?

航空貨物輸送を依頼するには、いろいろ注意する点があるのですが、
そのひとつに「Ready for Carriage」があります。
これは、レディー・フォー・キャリッジといわれ、貨物を発送可能の状態で用意する
必要があるのです。
つまり、荷主は貨物に何の手も加える必要がなく、そのままで航空機に搭載できる
状態で航空会社に渡す必要があるので、十分に注意しましょう。


貿易こぼれ話 73 CIQって知ってますか?

貿易取引を確実に行うために大切な機関・仕事があります。
税関・出入国管理・検疫の頭文字を取ってCIQといいます。
具体的には、

 税関(Customs)
  税関では麻薬や拳銃などの違法物品や不正な輸出入取引を防ぐために、
  貨物の全量検査やエックス線による検査を行っています。
 出入国管理(Immigration)
  外国から日本の港に入港するときは、船員と乗客は上陸許可証の交付を
  受ける必要があります。
 検疫(Quarantine)
  厚生労働省管轄の検疫所では、伝染病の進入を防止するために、入国者に
  対して健康状態の検査を行います。また、貨物に関しては、動物検疫所と植物
  検疫所で、それぞれ必要な手続きを行います。


貿易こぼれ話 74 通関士は人気の資格です

通関士は貿易に関係する唯一の国家資格です。
最近は学生、若い女性に大変人気があり、その受験者数は毎年1万人前後になっています。
貿易取引に関わる輸出入通関手続きは非常に煩雑で、専門的な知識が求められます。
そこで毎年1回、10月に通関士試験が実施されます。
通関士試験の歴史は長く、第1回の試験は1967年に行われました。当時の受験者数は、
2,000〜3,000人でしたが、1996年に始めて1万人を突破しました。
その後、毎年1万人前後の方が受験しています。
合格率は、その幅が大きく特徴があります。
ちなみに過去10年の合格率を見ていきましょう。

 2009年 7.8%
 2008年 17.8%
 2007年 7.7%
 2006年 7.0%
 2005年 24.8%
 2004年 18.8%
 2003年 12.1%
 2002年 28.6%
 2001年 10.5%
 2000年 14.1%
 1999年 14.9%

やはり大変難しい試験ですね。


貿易こぼれ話 75 続 通関士

通関士になるには、試験に合格しただけではだめです。通関士に合格するには、
通関士の国家試験に合格し、さらに通関業者の通関業務に就くこと。そして、
勤務先である通関業者からの申請により、税関長から「通関士の確認」を受ける
必要があります。
通関士の仕事はいろいろですが、最も大切な仕事が税関に提出する書類の作成、
審査、確認後の記名押印するか、IDカードでNACCS等で申告手続きを行います。
なお、このIDカードは通関士ひとりひとりが所有しています。つまり、IDカード番号
によって、どの通関業者のどの通関士であるかを特定することができます。
通関士には重い責任が課せられているのです。


貿易こぼれ話 76 独自性の高い輸出品が必要

ものづくり日本といいながら、わが国のメーカーさんは大変苦労しています。
いわゆる標準化された商品、誰でも作れる商品では、海外ビジネスでは
勝負できなくなりました。
特に中国を含めたアジア諸国との競争では、価格競争力で勝てなくなりました。
わが国独自の商品、匠の技を最大限に活かした商品の開発が直近の問題
となっています。まだまだ、中小企業を含めたメーカーさんの技術力、商品開発力
は世界最高峰でしょう。今のうちに、わが国独自の輸出品を開発しなくては、
と思ってしまいます。


貿易こぼれ話 77 G7・G8・G20

皆さんはすでに十分ご承知だと思いますが、世界の主要国が集まり、
さまざまな会議を行います。それがG7・G8・G20といわれるものです。
G7は、日本・アメリカ・ドイツ・イギリス・フランス・イタリア・カナダです。
G8は、それにロシアを加えます。
G20はさらに、韓国・メキシコ・南アフリカ・インドネシア・オーストラリア・ブラジル・
インド・中国・サウジアラビア・トルコ・アルゼンチン、そしてEUを加えたものです。


貿易こぼれ話 78 GDP世界一はどこの国?

GDP国民総生産が話題になりますが、ところで一人当たりのGDP世界一は
どこの国でしょうか。
なかなか難しいですね。実は、ヨーロッパの小国、ルクセンブルクなのです。
ルクセンブルクって、どこ? と思ってしまいますが、ヨーロッパにある小さな国です。
しかし、一人当たりのGDPはダントツ世界一です。ルクセンブルクはヨーロッパの
金融センターとしての地位を確保しています。
ちなみに、2位はノルウェー、3位は中東のカタールでした。


貿易こぼれ話 79 バイオエタノールが世界を変える

今、新しい動きがいっぱいあります。
ブラジルでは、サトウキビから作ったバイオエタノールで動く自動車が普及しています。
自動車はガソリンで動くものと思っていましたが、サトウキビから作ったバイオエタノールや
トウモロコシから作ったバイオエタノールで動く時代になりました。
トウモロコシに注目が集まるので、小麦や大豆を生産していた農家が、トウモロコシの
生産に移行したことにより、小麦や大豆の不足を招いたことも事実です。
なかなか難しいですね。
一方、電気自動車の開発も急ピッチで進んでいます。電気自動車は世界の主流と
なるのに、そう時間はかからないでしょうが、一説によると、ガソリン車より、自動車パーツ
の数が極端に少なくできるそうです。


貿易こぼれ話 80 次はブラジル

わが国、日本が発展する軌跡の中で、オリンピックと万国博覧会は大きな役割を
果たしました。
ついこの前までは、お隣中国が、オリンピックと万国博覧会を無事に成し遂げ、
その過程で大きな経済発展を遂げました。
次が、オリンピックとサッカーのワールドカップを控えているブラジルです。
大きな国際大会を控えているので、交通インフラ整備や宿泊施設、環境整備の充実
を図っています。
もともとポテンシャルがあるブラジル。今後、さらなる発展を遂げることは間違いありません。


貿易こぼれ話 81 コンテナ貨物の搬入場所と必要な手続き

日本に到着するコンテナ船は、コンテナ・バースに接岸します。
次にガントリー・クレーン(Gantry Crane)を使って、コンテナ船から輸入貨物が
詰まっているコンテナが降ろされます。降ろされたコンテナは、FCLの場合は
コンテナヤード(CY)に、LCLの場合はコンテナ・フレート・ステーション(CFS)
に搬入されます。


貿易こぼれ話 82 輸入港前後の具体的な手続き

コンテナ船がわが国に到着する前後には、さまざまな手続きが必要です。
まずCYのオペレーターは船会社の代理人として、FCL、LCLどちらの場合も、
コンテナ船の入港前に必要な手続きを行わなければなりません。
動物検疫所に「輸入動物関係一覧表」を、植物検疫所に「植物関係貨物一覧表」を
提出します。
さらに、コンテナ船が入港すると、すぐに今度は、税関に対して船長の署名がある
積荷目録やコンテナリストを提出することになります。
なお、この手続きは、現在NACCSで処理されています。


貿易こぼれ話 83 輸入貨物のブレイクダウン

航空機でわが国に到着した貨物。特に混載されてきた貨物はブレイクダウンされます。
さらにブレイクダウンされた貨物は、小型貨物・通常貨物・重量貨物・大口貨物・特殊貨物
に仕分けされます。
また、貴重品や危険品、冷蔵品は保税場所内の指定されたところに保管されることに
なるのです。


貿易こぼれ話 84 北極の氷が解けている でも…

温暖化が叫ばれています。北極の氷が解けるスピードがさらに進んでいます。
海面の水位が上がり、さまざまな災害が危惧されています。
しかし、こんな話も聞きました。
北極の氷が解けると、日本からヨーロッパに海上輸送するルートが大幅に変わるのです。
アラスカの横を通り抜け、北極海を渡り、ノルウェーに到着する。
こんな便利なルートが設定されるようになるのではと、ちょっと期待してしまいます。


貿易こぼれ話 85 自動車の生産台数世界一は中国

ついに自動車の生産台数世界一も中国が奪いました。
「made in Japan」は、高品質として世界中に愛され、安心を与えていました、
得意な電気製品も、もはや韓国・中国・台湾のメーカーの躍進に圧倒されています。
これらの国々のメーカーの特色は、「安くて品質がいい商品が作れます。」
これらのメーカーに立ち向かうためには、作戦の変更も考えなくてはならないのかも
しれません。


貿易こぼれ話 86 貿易実務の将来像

貿易を取巻く環境も激変しています。
貿易ビジネスを支える貿易実務もまた変化しています。
私の個人的な意見ですが、今後の貿易実務は、「職人技」と「コンピュータ化の標準作業」
の2分化が進むと思います。
長年の経験と知識を駆使して、単に書類を作成したり、手続きを行ったりするだけではなく、
そのひとつひとつの作業、業務に職人の技を駆使して、正確でスピーディな仕事、さらに
他の人の模範となる作業や技術の伝承が行える知識、こんなスーパーな職人が行う貿易
実務と、コンピュータ化が進んで、基本事項の入力・送信による規範な仕事に分かれると
思います。
言葉は悪いですが、貿易の知識、国際ビジネスの知識がなくても、画面入力で処理が
できる仕事も増えてくることでしょう。
そのときに生き残りをかけて、貿易実務の達人になるためのトレーニングを、今のうちから
進めておくことも大切だと考えます。


貿易こぼれ話 87 L/Cが読めますか?

貿易書類の中でも、難解なのが信用状(Letter of Credit = L/C)です。
業界でよく、「あなた、L/C読めますか?」という表現を使います。
これは、単に英語で書かれたL/Cを日本語に訳すのではなく、L/Cに要求されている条件、
書類作成、手続きなどを完璧に行うことができ、無事に代金の回収を行えますか?という
意味合いがあります。
本当の意味でL/Cが読めるということは、
L/Cに要求されている書類が正確に作成できる。
L/Cで要求された手続きを無事に行うことができる。
船積み後、できるだけ早く買取手続きを済ませて、代金の回収を図ることができる。
このような方を本当の意味で、「L/Cが読める」といいます。
ぜひ、皆さんもL/Cが読めるようになりましょう。


貿易こぼれ話 88 天然ガスに注目が集まる

原発の事故以来、天然ガスに注目が集まっています。
天然ガスの生産量を調べてみると、なんと、ロシア・イラン・カタールの3国で
世界の半分以上の天然ガスを生産していることになります。
これからは天然ガスの動向に世界の目が向けられるでしょう。


貿易こぼれ話 89 中小企業の海外進出

中小企業さんに、いろいろと質問をしました。
「今後、海外進出を予定している国、または検討している国はどちらですか?」
と尋ねると、おおむね次のような順番でした。

 ・中国
 ・ベトナム
 ・インド
 ・タイ
 ・インドネシア

やはり、アジア諸国ですね。
今後の貿易ビジネス・海外ビジネスの対象は、中国を中心としたアジア諸国
だということは、さまざまな資料・研究発表でも確認できます。
やはり、という感がありました。


貿易こぼれ話 90 中小企業の海外進出 その2

中小企業さんの海外進出・貿易ビジネスへの熱意を強く感じるのですが、
一方、さまざまな不安を抱えているのも事実です。
「どのようなことに不安や課題を持っておられるのか?」と尋ねると、
次のような答えが多くありました。

 ・優秀な人材の確保
 ・優秀な人材の育成
 ・専門知識の習得
 ・為替相場の変動
 ・現地の制度、法律などの情報や知識

これらを見ると、やはり人材や知識などに大きな不安を抱えているのが
わかりました。


貿易こぼれ話 91 マラッカ海峡

日本からヨーロッパ諸国へ海上輸送する場合、必ずマラッカ海峡を通過
することになります。
マレー半島の先端にある、マラッカ海峡は海上交通の要所です。このため、
シンガポールは上海と並び、コンテナの取扱数が際立って多いのです。
一方、細長いマレー半島を横断すれば、もっと早くヨーロッパ方面に輸送できるのに
と思ってしまいます。それが、クラ地峡運河開発計画です。
マレー半島には、ミャンマー・タイ・マレーシア・シンガポールの4つの国があります。
そのうちタイとミャンマーの国境付近にあるクラ地峡を開発して運河を作る計画が
あるのです。
ただ、計画だけで実現には程遠いようです。


貿易こぼれ話 92 人口が多い国

人口が多い国のイメージは、ずっと中国でした。
ある資料によると、2050年には、人口の多い国の順番は、

1位 インド
2位 中国
3位 アメリカ
4位 パキスタン
5位 ナイジェリア
6位 インドネシア
7位 バングラデシュ

だそうです。
一方、少子化の影響で、人口が確実に減っていく日本。
労働人口が減少し、生産性が低下することにより、国力が
極端に弱くなるのではないでしょうか。
とても心配です。


貿易こぼれ話 93 ASEANプラス3

世界経済の中心は、GDPで見てみると、「EU・アメリカ・アジア」この三極に
集中しています。
特に、このアジアはASEANプラス3の国々です。
つまり、ブルネイ・カンボジア・インドネシア・ラオス・マレーシア・ミャンマー・フィリピン・
シンガポール・タイ・ベトナムのASEAN参加国に、日本・中国・韓国を加えた国々が
ASEANプラス3です。
今後のASEANプラス3の活躍に期待するところです。


貿易こぼれ話 94 航空貨物用特殊コンテナ

現在は、航空貨物輸送でさまざまな商品が輸送されています。
それを可能にするのに、特殊なコンテナが用意されているのです。

 ホース・ストール  --- 競走馬や牛などの動物を運ぶために作られたコンテナ。
 既製服用コンテナ --- 輸送時に発生するシワや型崩れを防ぐために作られたコンテナ。
                ハンガーで吊り下げたまま運ぶことができるようになっています。


貿易こぼれ話 95 特殊な海上運賃・梱包建て運賃

梱包建て運賃(Piece Package Unit Basis)という運賃の種類があります。
これは、自動車や特殊な機械、建築機材など、1台につきいくらと算定する運賃です。
通常、運賃は容積建て(Measurement Basis)または重量建て運賃(Weight Basis)
が適用されますが、特殊な貨物については、この梱包建て運賃が適用されます。


貿易こぼれ話 96 注意しましょう!ワシントン条約

ワシントン条約では、生きている動植物だけではなく、象牙や毛皮など、
それを原材料とする製品も対象となります。
もし、ワシントン条約の対象となる動植物や、その製品などを海外の旅行先
で購入し、それらを日本に持ち帰る場合は、購入した国の政府が発行する
CITES輸出許可書が必要になりますので、十分に注意しましょう。
不安がある場合は、事前に税関などで確認しておきましょう。


貿易こぼれ話 97 航空貨物運送状の裏面約款

航空貨物運送状の裏面には、国際航空貨物輸送の骨子となる
契約条件(Conditions of Contract)が記載されています。
これを裏面約款といいます。
裏面約款に記載されている基本事項として、

 ・運送人の定義
 ・ワルソー条約により運送人の有限責任
 ・貨物の損傷、滅失、延着に対する過失責任
 ・出発地空港まで、または到着地空港までの運賃や諸費用
 ・支払いと通関に関して
 ・引渡しと到着通知に関して
 ・損害賠償請求の期限

などなどです。


貿易こぼれ話 98 Cargo Boat Note って知ってますか?

カーゴ・ボート・ノート(Cargo Boat Note)には、貨物の問題点や故障箇所などを記載する
リマーク欄(Remarks)があります。
貨物の引渡しにおいて、その貨物の梱包状態に損傷などの問題があると確認した場合
は、逐一、リマーク欄にその旨が記載されます。
カーゴ・ボート・ノートにリマークが記載されると、輸出地から輸入地に向けての輸送中に
発生したものとみなされます。
輸入者は、このリマークをもとに、保険会社に対してクレームの手続きを行うことができる
のです。