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最新 通関士試験対策

  2016年の通関士試験まで、あと1か月となりました。
 試験に合格するための対策をアドバイスしたいと思います。あくまでも、個人的なものです。

1. 試験科目の確認 

  • ・通関業法

      通関業法は45条の短い法律です。条文を確実に理解しておきましょう。通関業法は、通関業を規定する法律です。

    「通関業者」や「通関士」の権利を定めています。

    ・関税三法等


      ・関税法 : 通関と保税に関する基本的な法律

      ・関税定率法 : 輸入貨物に適用する関税率を定めている法律

      ・関税暫定措置法 : 適用期間を限定した法律や税率を定めている法律

      注意点:NACCS特例法に関しても確認しておきましょう。この法律は、電子情報処理組織を利用した通関手続きを

      定めている法律です。

2. 通関士試験  時間と記入方法

・通関業法 : 50分

・関税三法等 : 1時間40分

・通関書類の作成等 : 1時間30分

記入方法 : 3科目ともすべてマークシート方式です。

3. 合格基準

 最も注意したい点は、「すべての科目が合格基準を超える」必要があります。

合格基準は試験の実施後に発表されますが、各科目60パーセントが目標です。つまり、どの科目も60パーセント以上を

目指す必要があります。


各科目の中心的な問題は、「選択問題」と「択一問題」です。これらは、1問が5つの小さい問題で構成されています。この

小さな問題すべてに正解して1点となります。

この選択問題と択一問題で、ほぼ、正解に導き、ここで確実に加点しておく必要があります。できたら、90パーセント

以上の正解で加点しておきたいです。

4. 合格率

ここ数年の合格率を見ておくと、第46回が8.6%・第47回が11.7%・第48回が13.2%・第49回が10.1%になっています。

ばらつきはありますが、だいたい、10%前後だと認識しておくことが大切です。

5. 出題形式

通関業法 : 満点45点

・穴埋め問題 5問

 1問に対して埋める穴が5つあります。つまり、一つ穴が1点です。満点で25点です。

ここでは、満点近くの点を取りたいところです。

・選択問題 5問

 1問に対して小問題が5つです。正しいもの、もしくは誤っているものをすべて選択する方式です。一問2点で、

 合計10点です。

ここでは、ちょっとミスしやすいですが、6点ないし8点は取りたいです。

・択一問題 5問

 1問に対して小問題が5つです。正しいもの、または誤っているものを一つ選択します。一問1点で、満点は10点です。

ここも、ちょっとしたミスをしやすいですが、6点・8点は取りたいところです。


関税法、関税定率法その他関税に関する法律および外国為替および外国貿易法 : 満点60点

・穴埋め問題 5問

 1問に対して埋める穴が5つあります。つまり、一つ穴が1点です。満点で25点です。

穴埋めは比較的取りやすいので、満点を目指しましょう。

・選択問題 10問

 1問に対して小問題が5つです。正しいもの、もしくは誤っているものをすべて選択します。一問2点で、合計20点です。

ここも比較的加点しやすいので、満点近くを目標にしましょう。
 
・択一問題 15問


 1問に対して小問題が5つです。正しいもの、または誤っているものを一つ選択します。一問1点で、満点は15点です。

ここは、注意しなくてはなりません。

ここで減点が多いと、あとで響きます。ゆっくりと問題に対処して、減点を防ぎましょう。目標は12点です。


通関書類作成要領その他通関手続きの実務 : 満点45点

・輸出申告書の作成

 5欄に入れる品目コードを選択することになります。一つの欄が1点で、合計5点です。輸出申告書の作成は、慎重に

対処します。

満点の5点を目標にしましょう。

・輸入申告書の作成

 5欄に入れる品目コードを選択して、課税価格を計算します。品目コードの選択は1欄1点です。課税価格の計算は

1欄2点です。合計は15点。

ここが最大の難関です。ここで減点が多いと、通関書類の作成で60パーセント以上をクリヤすることが難しくなります。

 絶対にミスは許されません。


・選択問題 5問

 1問に小問題が5つです。正しいもの、もしくは誤っているものを選択します。一問2点で、合計10点です。

ここは満点を取りに行きましょう。

・計算問題 5問

 関税や付帯税の計算が2問です。関税価格の計算が3問です。1問2点で、合計10点。

この計算問題も間違いやすいです。ゆっくり計算することが求められます。また、時間的な余裕をもって、何度も

 検算、確認作業をしましょう。ここでの減点も痛いです。万が一、0点でもなったら、ほぼアウトです。


・択一問題

 品目分類問題は2問です。その他が3問で合計5問。1問1点で合計5点です。

ここは満点を取りに行きましょう。

6.輸出申告書と輸入申告書の作成問題

 仕入れ書に記載された7〜9の品目を申告書に記載することになります。

対策と作成手順


1.すべての品目の品目コードを選択します。慎重に選びましょう。

2.品目コードが同一のものは、合算します。計算を間違わないようにしましょう。

3.合算後の品目コードごとに申告価格を計算します。

4.申告価格が20万円以下の品目は別扱いにします。

5.申告価格の大きな品目から順番に申告書に記載します。申告価格には注意が必要です。また、20万円以下の

品目は、まとめて最後に記載します。

注意点と確認点


申告書に記載する品目は5品目にまとめられます。

特に輸入申告書の作成の際、まとめた5品目の「品目コード」と「課税価格」の両方を記載することになります。

金額は課税価格を決定する原則に従って、正確に計算するようにしましょう。


あくまで、計算には注意が必要です。考え方、計算の仕方を理解していたとしても、つまらない計算ミスをすると

 アウトです。

 会場内は、ページをめくる音や計算の音で集中力が削がれる場合もあるかもしれません。精神的にしっかりと計算

 に向かい合いましょう。

・課税価格の計算


 課税価格の計算では、「算入すべき費用」と、「算入しない費用」を区別することになります。

・択一問題、品目分類の問題


 A欄に揚げる物品とB欄に揚げる物品が、関税定率法別表の同じ項の属するものの正しい組み合わせを問う問題です。

注意する点は、確実に異なるものがいくつかあります。これをしっかり見つけましょう。また、正しい組み合わせがない

 場合もあります。この場合は「0」をマークすることになります。

 正しい組み合わせがあるのか、それとも「0」かと、悩むことが多いです。

7.通関業法

 通関業法の条文を理解しましょう。条文の多くは「原則の記述」が、まずあります。そして、次に「例外規定の記述」が

あります。しっかり両方の意味合いを理解しましょう。また、試験には例外規定の出題が多くあります。

まずは原則を確実に理解することです。

8.関税法等

 課税法以外にも、いろいろな法律があります。しっかりとそれぞれの法律の内容を理解するようにしましょう。

下記の法律の内容を確実に把握しましょう。

・関税法

・関税定率法

・関税暫定措置法

・NACCS法

・ATA特別法

・輸出貿易管理令と輸入貿易管理令

9.課税価格の計算

 与えられた資料から「課税価格」を計算する問題です。正確に課税価格を導き出すことが求められます。まずは、仕入れ

書価格からCIF価格までの手順を理解します。この際、「加算要素」と「減算要素」をしっかりと把握していることが大切に

なります。

計算の練習をしっかりと行いましょう。それには、過去問題を何回も何回も解くことにより、要領がつかめます。

10.輸出申告書と輸入申告書の作成

@HSコードの選択


作成にあたって、重要なのは正確なHSコードの選択です。まずは仕入れ書の品目別にHSコードを選択することになり

ます。

最初に4ケタを選択します。次に6ケタ、10ケタと進みます。

A課税価格の計算


まずは仕入れ書の「外貨」で記載されているものを「円貨」に換算します。次に「加算」、「減算」、「限定列挙の項目」を

取捨選択します。この際の選択がとても重要です。次に「運賃、保険料は必要に応じて按分」します。

按分を間違わないことです。尚、外貨を円貨に換算する順番は問題の指示に従いましょう。

さらに、20万円以下の品目である「低額貨物」の取り扱いも大切です。

・関税割当の品目は1欄に独立させる

・有税品と無税品に分けて、合算する。このとき、しっかりと有税品と無税品を分ける

・有税品は税率の高い品目コードを使用する。ただし、最後は「X」

・無税品は価格の大きい品目コードを使用する。ただし、最後は「X」

・有税品と無税品は合算価格の大きな方を上位にする

関税率表の理解


輸出入されるすべての品目は、関税率表の21部97類に分類されています。それぞれの品目には、コード番号が振られて

います。

ここでは関税率表に対する知識が問われます。まずは関税率表の全体像を把握しましょう。つまり、21部の表題を

 確実に理解することです。次に各部に属する類の表題を理解しましょう。また、関税率表の解釈に関する通則を勉強

 することも大切です。
まとめ

 通関士試験まで、あとわずかです。

私なりの対策、注意点を述べました。上記の点を今一度、確認しましょう。

試験当日は落ち着きましょう。ゆったりと構えて、それぞれの問題に慎重に取り組みましょう。

そうすれば、合格間違いありません。

頑張ってください!