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通関士の将来性


通関士は貿易業務の最前線で通関実務に従事する国家試験に合格したプロです。

輸出入通関手続きをスムーズに行うために、「関税法、関税定率法、関税暫定措置法」、さらに

「他法令」といわれるさまざまな国内の法律の知識を有しています。

輸出入通関手続き、輸入申告手続きに伴う商品ごとの税番号の確認、有税品の輸入の場合は

関税率や商品内容の審査を慎重に行っています。

上記の仕事はとても大切な仕事であり、専門知識や経験に裏打ちされた能力やスキルが要求され

ます。



しかし、これからも同じような仕事、能力が問われるのでしょうか。私はちょっと違った考えをもって

います。と申しますのも、通関業界が大きく変わろうとしているからです。つまり通関士の仕事も

変わると思います。



一つは税関官署の自由化です。認定通関業者の資格を有している大手の通関業者は今後、

いろいろな港でも通関手続きが可能となります。そうすると磁場の中小の「通関業者の仕事」や

「通関士の仕事」に影響を与えるのではないでしょうか。もう少し乱暴な言い方をすれば、地場の

中小企業の通関業者の仕事が浸食されるのではないでしょうか。その場合、地場の通関業者や

通関士の仕事も少なくなるように思われます。

通関業務イメージ




次に、NACCSの第6次開発が進み、各企業のコンピュータ化も進めば、企業が毎回毎回、

同じ商品を輸出入している場合は、その商品の通関手続きは実績処理が可能となります。また、

「区分1の商品」や、「他法令の問題のない商品」「税関検査の可能性のない商品」などの

通関手続きは煩雑ではなく、特別な知識やスキルを求められることも少ないのではないでしょう

か。将来的には通関士の審査を必ず受ける必要もないように思われます。



通関士の有している知識やスキルは貿易取引、通関手続きにはなくてはならないものです。

そこで、通関士は単なる事務屋でなく、今後はその知識をもとに各企業のコンサルタントや

アドバイザーの仕事を求められてくるのではないかと推測します。



わが国では、なかなかコンサルやアドバイスではお金を取ることが難しいですが、新規に

貿易取引、海外ビジネスに進出を考えている企業にとっては、通関士のアドバイスは

とても心強いものになるのではないでしょうか。



将来的なひとつの方向性として、通関士の新しい姿としては、「コンサルタント業務」

が求められると思います。




コンサルタントイメージ